前立腺肥大症の段階的症状と日常で出来る対策

 

前立腺の役割

前立腺は膀胱の下にあり、尿道を取り囲むような形で存在しています。
前立腺は、精液の一部である前立腺液を分泌します。
前立腺液は男性ホルモンにより生成され、精のう液と混ざり合い、精しょうと呼ばれる精液の液体の部分になります。
精巣で作られる精子と、前立腺からの精しょうとが混ざり合って精液になります。
前立腺は尿を排泄する役割も担います。
前立腺の病気は、前立腺肥大症と前立腺がんが代表的です。

 

前立腺肥大症とは

前立腺は通常、栗の実程の大きさで重さは数グラム程度です。
前立腺は加齢と共に肥大し、膀胱や尿道を圧迫して排尿障害を起こします。これを前立腺肥大症と呼びます。
前立腺肥大症は良性の疾患で病状が進行しても前立腺がんにはなりません。

 

現代では50歳以上の男性の約2割以上が前立腺肥大症を患っていると言われています。
逆に30〜40代の発症率は非常に低くなっています。

 

前立腺肥大症は、男性ホルモンと加齢が発症に関係していることは明らかになっていますが、
詳しい原因については、まだ未解明の部分が多くあります。

 

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症の症状は、尿の出方により第一期から第三期に分類されます。
前立腺肥大症は個人差のかなりある疾患で、進行の速度も人によりさまざまです。

 

第一期 膀胱刺激期

第一期は、膀胱刺激期と呼ばれ、前立腺肥大症の初期症状の段階を指します。
この時期は、だんだんと肥大化してきた前立腺が、膀胱と尿道を圧迫刺激しはじめ、トイレに行く回数が増えてきます。
同時に、尿道の奥や会陰部に不快感があり、頻繁に尿意を感じるようになります。
正常時のトイレの回数は3時間以上の間隔が空きますが、2時間以内の間隔になれば頻尿とされます。

 

この膀胱刺激期には、昼間だけでなく、夜間もトイレに2回以上起きるようになります。人間の体内では、夜間は眠るために尿を抑制するホルモンが作られます。しかし、このホルモンは加齢に伴い減少し、夜間も尿意を感じるようになります。それが一晩に2回以上の頻回になると、前立腺肥大症の疑いが濃くなります。

 

またこの時期になると

  • 尿が出はじめるまで時間を要す
  • 尿の勢いがなくなる
  • 尿が途中で途切れる
  • 排尿に時間がかかる

といったことが起こりはじめます。

 

第二期 残尿発生期

第二期は、残尿発生期と呼ばれる前立腺肥大症の中期にあたります。
この時期になると、前立腺腺腫が更に大きくなるので、排尿がより困難になり、排尿後も膀胱内に尿が残る残尿が起きます。排尿後の残尿感が消えないため、頻繁にトイレに行きたくなるという事態に陥ります。

 

残尿は細菌感染や、膀胱内の結石の原因にもなり、血尿が出る場合もあります。冷えや長時間座りっぱなしなどの要因が重なって、尿が出なくなってしまう尿閉が起きることもあります。
また、尿漏れを起こしたり、尿が濁ったりするようにもなります。

 

第三期 完全尿閉期

第三期は、完全尿閉期と呼ばれ、前立腺肥大症の後期にあたります。
この時期には、前立腺肥大症の症状が更に進行し、膀胱の筋肉の収縮だけでは尿を排出することが困難な状態となります。膀胱には400ml以上の尿が常に残るようになりますが、その感覚さえ麻痺していきます。膀胱の残尿量が増えると、だらだらとした尿漏れが起こります。

 

夜間頻尿はもっと増え、睡眠障害を起こす事態になってしまいます。そして、自分の意志では排尿できなくなる尿閉が起こる場合も出てきます。尿閉は激痛が伴い、救急車の手配が必要になることもあります。高齢の方が尿閉になると、血圧の急上昇や、心臓発作が起きることもあり、最悪、命にかかわる事態になる可能性も出てきます。病院で早急にカテーテルで導尿の処置が必要になります。

 

尿閉は、過度の飲酒や香辛料の多い食事、風邪薬などの抗ヒスタミン剤を服用した時にも起こりやすくなりますので注意が必要です。

 

膀胱に常に尿が溜まっていると炎症の原因になり、腎臓で作られる尿の流れも妨げられ、腎機能障害を起こしてしまいます。前立腺肥大症もこの時期になると、もはや放置の出来ない状態になります。

 

前立腺肥大症の対策

前立腺肥大症は、その症状の重さにより、医師の指示で投薬などの治療を受けることになりますが、まだ症状が初期の軽度な段階であれば、日常の生活習慣を見直すことにより、症状の軽減と悪化防止に効果をあげることができます。具体的には次のような点に気をつけます。

 

体を動かす

前立腺肥大症になると、骨盤内の血液の循環が滞らないように適度に体を動かす必要があります。
血液の循環が悪くなると、前立腺に炎症がおき、頻尿などの症状が酷くなってしまいます。特に長時間のデスクワークや車の運転などで座りっぱなしにならないように、時々休憩を取り、歩くなり、軽く体を動かすなりして、血液を循環させるようにします。
1日10分程度、軽い運動を習慣として取り入れると良いでしょう。散歩なども効果的です。

 

トイレを我慢しない

前立腺肥大症が進行すると、昼夜を問わず頻繁に尿意を感じるようになります。しかしトイレに行っても尿があまり出ず、排尿まで時間がかかるようになるので、尿意があってもトイレに行くのを我慢する人も少なくありません。

 

前立腺肥大症の人がトイレを我慢すると、尿が膀胱に溜まり膀胱が次第に膨張していきます。膀胱の膨張はやがて尿道を塞ぐようになり、激痛を伴う尿閉になる危険性もあります。

 

また、腎機能障害や、尿路感染症、水腎症になる可能性もあります。前立腺肥大症の人はトイレに行くのを我慢せず、尿意があればその都度トイレに行くように心がけましょう。

 

冷えに注意

冷えは血行障害の原因となります。血行障害は前立腺肥大を悪化させ、頻尿をさらに酷くします。冬場は特に体が冷えないように、一枚多く重ね着するなどの冷え対策が必要です。冷えを防ぐためには、適度な運動を日課に取り入れることが効果的です。

 

食べ物にも注意が必要です。体を冷やす夏野菜や、南国産の果物は避けるようにします。生野菜より火を通した野菜を食べるようにし、体を温める効果のある根菜類を積極的に摂るようにしましょう。
また、刺激の強い香辛料や激辛料理は、前立腺の炎症を悪化させるので避けるようにします。

 

アルコールの飲み過ぎに注意

アルコールの飲み過ぎは前立腺の血行に悪影響を及ぼします。

 

厚生労働省では、節度のある適度な飲酒として、純アルコール上限を1日あたり20グラム程度と定めています。
ビール中瓶1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯、ワインをワイングラス2杯弱程度が適量となります。

 

便秘予防

便秘は前立腺を圧迫し、炎症を起こす原因になります。
便秘にならないように、日頃から繊維質の多い海草類やオリーブオイルなどを摂るように心がけましょう。

 

適度な水分補給

前立腺肥大症になると、頻尿に悩むからといって、むやみに水分量を減らすと、脱水症や腎機能障害を起こす可能性がでてきます。
過度の水分制限は、前立腺肥大にも良い影響を与えません。

 

前立腺肥大症の方でも1日に1〜1.5リットル程度の水分は必要です。夜間の頻尿を防ぐためには、夕食後の水分を控えめにするなど水分の摂り方に工夫をします。

 

コーヒーは利尿作用があり、頻尿の原因になりますので出来れば控えた方がよいとされています。コーヒーがどうしても飲みたければ午前中に1杯だけと制限した方がいいでしょう。


このように、日常の生活習慣を少し見直すことで、前立腺肥大症の症状の悪化を防ぎ、尿トラブルの改善に繋げることが可能になります。
酷くなる前に、是非、これらの対策を実行してみましょう。

座りっぱなしの仕事が前立腺肥大症を呼ぶ

 

多くの男性にとって避けて通れない悩み、それが前立腺肥大症です。
40代から増え始め、50代では約3割が、80代を超えると8〜9割が発症すると言われています。

 

前立腺肥大症を自覚するのは、ほとんどが排尿障害で、頻尿、残尿感、キレの悪さなど、日常的にとても厄介なものですね。

 

前立腺肥大症は"男の更年期"?

前立腺肥大はどうして発症するのか?そのメカニズムはまだ完全には解明されていません。
ただ、原因となる要因はいくつが特定されてきました。
その要因とは、大きく分けると以下のようなものです。

 

ホルモンバランスの乱れ

男性ホルモンの一種、「ジヒドロテストステロン(DHT)」が前立腺肥大症を促進するとされています。
DHTは元々男性の生殖器を成長させるホルモンですが、
成長期が終わっても増え続けることにより前立腺を不必要に肥大化させてしまうのです。

 

血液や細胞の老化

前立腺は非常に血の巡りが良い器官で、すなわち高コレステロールや高血圧の影響をもろに受ける場所でもあります。
体内で活性酸素が増え過ぎて起こる「老化現象」も前立腺肥大の原因である可能性が示唆されています。

 

前立腺の圧迫

特に車の運転や事務職で長時間同じ姿勢で座り続ける人は、前立腺肥大症のリスクが高いと言われます。
前傾姿勢で会陰部を圧迫し続けると、前立腺がうっ血して肥大化が加速してしまいます。
肥満傾向でお腹が出ている人ならなおさら、座りっぱなしによる症状の悪化は見過ごせません。

 

1と2のホルモンバランスや生活習慣については、食事やサプリメントによって予防改善できることが判ってきています。
ここでは特に3の座り方について、もう少し詳しく見ていきまそう。

 

前立腺に悪い座り方・良い座り方とは?

前立腺肥大症を悪化させる生活要因として、座り方があげられます。
まず悪い座り方とはどんな姿勢なのでしょうか?

 

×「寒いところで」「固い椅子に」「長時間」座る。
この3つの要素は一つづつでもかなりの負担になりますが、2つ3つと複合するとさらに危険です。
前立腺肥大症を改善するには、血流を良くし、会陰部の圧迫を防ぐことが大切です。
空調の効いた車内やオフィスで同じ姿勢を取り続けることは、前立腺に大きな負荷をかけ続けることになります。

 

こまめに立ち上がり、猫背の姿勢は直すように心がけましょう。
では次に、前立腺肥大症に良い座り方も見てみましょう。

 

○「柔らかめの椅子に」「前かがみにならず」座る。
ソファーなどで背もたれに寄りかかって座っている状態を想像してみてください。
下腹部に圧迫感がなく、足先まで血液が流れやすい状態です。
これが前立腺肥大症にとって最も楽な座り姿勢です。

 

座る時間を快適に過ごすためには?

一番良いのは、一定時間ごとに席を立って軽く腰を伸ばすことです。
腰から下の血流を良くして、圧迫感を逃がすこと、できるだけマメにトイレで排尿することを心がけましょう。

 

もう一つはクッションを利用することです。
円座タイプやU座タイプのクッションを使うことで、座っている間の会陰部への圧迫を軽減することができます。
最近ではカバーを掛けるとクッションの形が目立たないものなどもありますから、オフィスでも積極的に活用してみてください。


まとめ

前立腺肥大症にとって、長時間座りっぱなしの仕事はリスクを伴います。
サプリメントや薬を飲んでいても、肝心の前立腺を圧迫し続けては意味がありません。
座る姿勢を見直し、できる限り前立腺に負担を掛けないような工夫をしてみてください。
これを読み終わったら、さあ、一度席を立って腰を伸ばしましょう!

 

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