前立腺がんの4つの治療法

前立腺がんの治療方法は手術療法、放射線療法、薬物療法、待機療法の4つに大別されます。
治療の選択は、PSA値、腫瘍の悪性度、リスク分類、年齢、患者の意思や考え、ライフスタイルに基づき決定されます。

 

手術療法

 

手術療法は体への負担が大きいことから、期待される余命が10年以上あり、健康状態が比較的良好な人に向いています。
また手術療法は、がんが前立腺内に留まっている合併症のない限局性前立腺がんに適しています。 

 

前立腺がんの手術は根治目的なので、部分切除ではなく全摘除術で行われます。
前立腺を精のう、精管の周囲ごと摘出し、周囲のリンパ節を切除します。

 

手術療法は開腹手術である前立腺全摘除術と、
腹腔鏡下手術である腹腔鏡下前立腺全摘除術の二つの方法があります。

 

開腹手術

前立腺全摘除術は、恥骨後式と会陰式があります。
恥骨後式は、開腹してお腹の方から前立腺に到達する方式で、
会陰式は、会陰部を切開し、前立腺に到達して摘出します。

 

前立腺全摘除術は、術後に尿失禁、むくみ、術後勃起不全などの合併症が起こる可能性があります。

 

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下前立腺全摘除術は、お腹に5〜12ミリの穴を複数あけ、腹腔鏡を挿入して行います。
開腹手術に比べると、傷も小さく、痛みも少なくてすみ、術後の快復も早くなります。

 

しかし開腹手術に比べると、手術自体の技術が難しくなりますので、
信頼のおける医師の元で手術を受ける事が重要
になってきます。

 

放射線療法

 

放射線療法は、前立腺がんのほとんどのステージに用いられる治療法です。
手術療法に比べると患者の体の負担及び副作用が少なく、高齢者にも適用される療法です。

 

放射線療法は、外部照射法と組織内照射法の2種類があります。

 

外部照射法

外部照射法は、体の外から放射線を照射します。
IMRT(強度変調放射線治療)により、コンピューターで放射線を制御し、必要な部位により強い放射線照射を行います。
周辺の組織には、放射線量を抑えることができるので、被ばくによる悪影響を避けることが可能です。

 

副作用は、排便通、排尿困難、直腸出血、下痢などがありますが、しばらくすれば落ち着いてきます。

 

組織内照射法

組織内照射法は、前立腺に針を刺し、内部から放射線をあてます。
アメリカでは、前立腺に直接線源を埋め込む小線源療法が普及しています。
小線源は永久的に前立腺に留まりますが、放射線量は少しずつ減っていきますので、長期的な影響はありません。

 

副作用の症状は外部照射法とほぼ同じですが、一般に外部照射法の副作用よりも軽く、短期間で落ち着きます。

 

薬物療法

 

薬物療法は、前立腺がんが周辺の臓器に広がっていたり、遠隔転移している場合に用いられる治療法です。
遠隔転移がなくても、高齢で、持病や体力的な問題がある場合、手術のかわりに薬物療法が用いられることがあります。

 

薬物療法は、ホルモン剤を用いる内分泌療法と抗がん剤を使う方法があります。

 

内分泌療法(ホルモン剤)

前立腺がんは、アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンの影響で発生し増殖します。
内分泌療法は薬を使い、この男性ホルモンを抑制する治療法です。

 

内分泌療法は効果的な治療法ですが、継続していくうちに効果が薄れていきます。
これは、ホルモン依存によるがんは減っても、がん細胞はやがてホルモンに依存しなくても増殖するようになるからです。
内分泌療法は根治療法ではなく、一時的にがんを小さくする治療法です。

 

内分泌療法に一番多く使われるのは、LHRHアゴニストと呼ばれるホルモン注射です。
LHRHアゴニストは、脳下垂体に作用し、精巣からの黄体化ホルモンと、テストステロンの分泌を抑制する働きがあります。
男性ホルモンはそのほとんどが精巣で作られますが、副腎でも少量の男性ホルモンが作られます。
ですので、LHRHアゴニストの他にも、抗男性ホルモン剤の薬を服用します。

 

内分泌療法の副作用は、ほてり、のぼせ、性機能障害、発汗、筋力低下、骨粗鬆症などがあります。
また内分泌療法は、定期的な通院が必要となるため、経済的な負担が大きい事がデメリットとしてあげられます。

 

抗がん剤療法

抗がん剤療法は、進行がんに用いられる治療法です。
薬を使って、がん細胞を死滅させたり、増殖を抑えたりしてがんの治療を行います。
内服薬や、静脈注射で抗がん剤を注入し、全身のがん細胞をターゲットに治療します。

 

内分泌療法の効果がなくなった場合、タキサン系抗がん剤を投与することで、延命効果が期待できます。
タキサン系抗がん剤の副作用は、むくみ、吐き気、のぼせ、倦怠感、骨髄抑制などの症状が出ます。
抗がん剤療法では、これらの副作用に対する対策が重要になってきます。

 

待機療法

待機療法は、前立腺がんの初期段階であったり、高齢で合併症がある場合、治療はせず、
定期的にPSA値を調べ経過を観察していく方法です。

 

前立腺がんは、がんの中でも進行度合いが比較的遅いがんだと言われています。
一定期間、治療を行わずとも、何の支障もない場合があります。

 

待機療法中に、医師の指導の元で定期的に検診を受け、様子を見ていきます。
症状に大きな変化が見られるまでは、待機することにより合併症などを避けます。

 

がん治療は、患者のニーズと症状に合わせて、医師と相談しながら最良の治療方法を選択していくことが基本となります。
心身の苦痛は積極的に医師に話し、生活の質を意識した治療を行いたいものです。

 

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